カブハル

日本株にバフェット型銘柄ある?

牛

10.日本株からバフェットさん型企業を見つける

ファンダメンタルズ分析を勉強していたら、必ずバフェットさんという人物の存在にたどり着く。つまり、日本のファンダメンタルズ分析派の投資家は、一度は日本株でバフェットさん型企業、すなわち消費者独占型企業を探すんだ。

つまり「バフェット型」「消費者独占型」「日本株」この辺のキーワードで検索すれば、日本株でバフェット投資をやっている人の情報にたどり着くんだ。さぁ、ググろう!!

で、実際にあなたにも検索してみて欲しいんだ。うん、もちろんいくつか見つかるよ。そして、その「日本のバフェット株」と言われている株の情報を実際にあなたの証券会社のサイトで見てみて欲しいんだ。「ROEが高い」「IT企業ではない」「消費者独占型だ」──。あなたは気づくだろう。「あれ?この人が日本株のバフェット型だと主張しているこの株、ROEが高くないぞ?IT企業だぞ?消費者独占型じゃないぞ?」。そうなんだ。実は日本株にバフェット型の株と完全に合致する株はないんだ。

でも、惜しいのはあるんだ。ちょっと私がこれは完全なバフェット型ではないけど惜しいな、っていう株をいくつか紹介したい。

まず、日本たばこ産業(2914)。JTとも言われている。「IT企業ではない」し、「消費者独占型」企業だ。タバコ産業に他企業は新規参入できない。確か、法的に規制されていたと思う。つまり、日本のほとんどの喫煙者は日本たばこ産業のタバコを買うしか無いんだ。そして、ROEもそこそこ高い。

「なんだ、じゃあ日本たばこ産業はバフェット型と言ってもいいじゃないか」と思うかもしれないけど、問題はROEの実績だ。実はこの銘柄のROEが高くなってきたのは最近なんだ。数年前はROEはめっちゃ低かった。ROEは「段々高くなってきている」だけで「ずっと高い」訳じゃないんだ(日本たばこ産業 (年次決算): 財務指標分析 - EDIUNET)。つまり、正確にはこれはバフェット型銘柄じゃないんだ。

次に大塚ホールディングス(4578)。「IT企業ではない」し、そこそこの「消費者独占型」企業だ。多分みなさん大塚ホールディングスなんて名前を聞いたことないと思うけど、この会社の販売製品を確認して欲しい(こだわりの製品|大塚製薬)。

「ポカリスエット」「オロナミンC」「カロリーメイト」「ファイブミニ」。そう、これらはコンビニには欠かせない製品なんだ。コンビニには栄養ドリンクのコーナーがあると思うんだけど、ここは「オロナミンC」と「ファイブミニ」は必ずあるだろう。なぜなら客が買うからだ。駅の売店でもおそらくオロナミンCとファイブミニは売られている。そう、売店としては置かざるを得ない製品なんだ。

ただ、ROEが低い。そして何より、実は大塚ホールディングスの大部分の利益は実はこれらの製品ではなく、ある薬の特許で成り立っているんだ。しかも、もうすぐ特許が切れて、利益率が大幅に下がることが予想されている。企業計画では、もちろん利益率は下がるけど、その後また少しずつ挽回していきたい、という計画を立てているし、製品としては魅力的なラインナップを保持しているから、注目はしているけど、少なくとも今はバフェット銘柄じゃないんだ。

とりあえず上記二銘柄を紹介したけど、あなた自身でも調べてみて欲しい。「利益率は文句なく高いけどIT企業だな」とか「ROE高いしIT企業でもないけど消費者独占型とは言えないな」とか色々惜しい銘柄はあるんだ。でも、バフェット銘柄はないんだ。

「じゃあ、何買えばいいねん?」って思うだろう。実は日本のファンダメンタルズ分析派がやっている基本的戦法というのがあるんだ。もちろん、この戦法と全然違う戦法をとっているファンダメンタルズ分析派もいると思うけど、多分ファンダメンタルズ分析派の多くは、やるやらないは別として知識としては、この基本戦法の存在は知ってると思うんだ。

というわけで次回、11.日本のファンダメンタルズ分析投資家の基本的戦法