カブハル

若いうちにお金持ちになりたいなら少数銘柄への集中投資。

牛

18.株の少数銘柄長期集中投資。攻撃戦略

私がしばらくカブハルを更新しなかったのは「そもそも私、まだ億稼いだりとか出来てないのに、偉そうに投資コンテンツを作成していいの?」っていう思いがあったからだ。しかし、株式投資の攻撃戦略を語らずしてこのコンテンツを放置するのも良くないだろう。というわけで攻撃戦略の話をしよう。

今まではポートフォリオの守備の話をしたが、あれでは(少なくとも若いうちには)お金持ちになれない。では、どうすれば若いうちにお金持ちになれるのか?それは、選び抜いた少数銘柄への長期集中投資でなされる。

気をつけていただきたいのは「少数銘柄集中投資」であって、「1銘柄集中投資」ではないことだ。少数銘柄とは、具体的には3〜5銘柄だ。1銘柄集中投資をしてしまうと、その投資した一つの銘柄に惚れてしまい、客観的な投資判断ができなくなって、例え状況が変わってその銘柄の業績が悪化しても、それに気づかない、ということが起こってしまう可能性がある。

ただし、これには議論の余地がある。ファンダメンタルズ分析投資家で成功した人の中には「資金が少ない場合、例えば1000万円以下の場合は1銘柄集中投資はあり」と話す人もいる。この辺りは他のサイトも参考にして自分で判断していただきたい。

少数銘柄とはもちろん、「この銘柄、めっちゃ良いやんけ!!」ってあなたが思う株である。

じゃあ具体的にどんな銘柄がいいのか。オーソドックスな手段としては11.日本のファンダメンタルズ分析投資家の基本的戦法で示した店舗展開型企業への投資がある。

今回はもう一つ「これはいいよね!」っていうタイプの業種として『ストック型企業』というのを紹介したい。

『ストック型企業』というのは、「一度契約してしまうと、基本的にはずっと契約をし続けないといけないタイプの企業」の事だ。一度契約さえ取れれば、あとはずっとお客はお金を払い続けてくれるので、あとは契約してくれる客の数を増やす努力をするだけで安定的に業績が拡大するのだ。ただ、これだけだと分かりにくいと思うので具体的な銘柄の例として2つ挙げたいと思う。

ひとつはメニコン(7780)。主にコンタクトレンズを販売している会社なんだけど、「メルスプラン」っていう定額制会員サービスがあって(メルスプランとは | コンタクトレンズのメニコン)、これが結構便利らしくて会員が増えているそうだ。つまりこれは「一度契約すると、便利すぎて基本的にずっと契約し続けるタイプ」の企業の一つだと思う。実際業績良いんだよねー、メニコン。EPSも基本的には右肩上がりだし。「メルスプラン」のサービスを海外にも展開してるし。でもROEちょっと低くない?でもいい企業なんだよなーと、私が買おうかどうかずっと悩んでる銘柄の一つです。

もうひとつはベネフィット・ワン(2412)。官公庁や企業の福利厚生・健康診断・保健指導の運営代行をやってるんだけど、例えば企業にとって頑張るべきメインって「商売してお金を稼ぐこと」であって「社員に向けての福利厚生サービス」ってそこまで力を入れるべきサービスではないじゃん?もちろん、福利厚生を厚くすれば社員は喜んでくれるとは思うけど。だから、自社でわざわざ社員向けに福利厚生を頑張るよりも「福利厚生の専門家」にサービスを外注した方が便利じゃん?実際に福利厚生の専門家がサービスする福利厚生の方が自社で提供する福利厚生よりも利便性が高いと思うし。だから一度福利厚生の専門家であるベネフィット・ワンと契約したら便利すぎてもうずっと契約し続けてしまう。だからこれもストック型企業だと言えると思う。

そういうので力をつけてきたのがベネフィット・ワンなんだけど、ベネフィット・ワンはもう優良企業として超有名で、特にアベノミクスの頃とかは永遠に株価が上がり続けてたね。めっちゃ割高だったけど。だから、投資経験が長い人ならベネフィット・ワンの存在を知らない人はいないんじゃないかな。

ただ、ベネフィット・ワンってパソナグループの傘下であって、パソナグループといえば会長が竹中平蔵であって、竹中平蔵といえば、派遣事業会社のための制度を整えて氷河期世代を発生させたことで悪名高く、現在も政治の中枢にいるという、とても闇の深い話。

そして、政治の中枢にいる人が一般企業の会社(パソナ)で会長をやっていて、その一般企業の会社の傘下の企業(ベネフィット・ワン)が他の追随を許さないほどの強いサービスを展開していて、これはそもそも良いの?大丈夫?竹中さんパソナとかベネフィット・ワンとかに利益が向くように、色々政策とか操作してない?竹中さんは悪名高い政商なのでは?とか冷静に考えると闇が深い気がする会社。でも強い会社。それがベネフィット・ワン。

ちなみに、この二銘柄は例として言及しただけで、買えと勧めているわけではないです。買って損しても私に文句を言わないでください。私も上記二銘柄持ってないし。

あと、別にわざわざ自力でストック型企業を探さなくても「ストック型 株」みたいな検索キーワードで検索すると「これがストック型企業だ!」みたいなことを紹介しているサイトが見つかります。もちろんゼロから自分で探しても良いです。

「じゃあ、具体的にPERはどのくらいで、ROEはどのくらいの銘柄に投資すればいいの?」とあなたは思うだろう。正直、私も未だにわからない。

私は、今のところ「そこそこ割安で」「そこそこROEが高い」企業に投資して、そこそこの利益を得ている。

だが、ROEが低すぎるからと言って、その銘柄で儲けられないかというとそんなことはないし、割高すぎるからと言って、その銘柄で儲けられないかというとそんなことはない。

ハブ(3030)という店舗展開型企業は、最初確かに割安だったが、ROEが7しかなかった。その後、地道に店舗増やしつつROEも地道にアップさせ、株価は安い時から5倍くらいになった。

カルビー(3030)は、昔からPER30以上をキープしてずっと割高だったが、PER30以上をキープしたまま、株価は10倍以上になった。

つまり、一番大事なのは「EPS(1株益)が今まで順調に上がり続けてきたという実績があるか?」と「今後もしばらく上がり続ける予定があるか?」であって、次に実際にその銘柄が行っている仕事が「儲かり続けられるか」「成長余地がまだまだあるか」が大事であって、指標はその次くらいに大事だと思う。

また、株価の動きは、概ね業績と一致します。長期投資と聞くと、なだらかな右肩上がりを想像してしまいますが、全くそんなことはないです。全然株価が上がらないこともありえます。有名なファンダメンタルズ分析投資家は皆言っています「いい業績の株価は、三年待てば大体上がる」と。逆に言えば、3年立たないと上がらない可能性もあります。むしろ下がったりします。全然上がらなくても、最低三年間持っていてください。株の利益は我慢料です。

割安性を重視する投資を「バリュー株投資」といい、成長性を重視する投資を「グロース投資(成長株投資)」と言います。世界一の投資家バフェットさんは昔はバリュー株投資派でしたが、近年徐々に成長株投資派になりつつあると言われています。

よって、これ以上はあなたが実際にファンダメンタルズ分析投資をしつつ、どんな銘柄に投資するのがベストなのかを経験から学ぶがいいさ。

そうそう、この少数銘柄長期集中投資だけど、これの投資資金の配分は均等にしないでください。特に資金が少ない間は。より自信がある銘柄へ多く投資資金を配分し、自信がそれ程でもない銘柄へは投資資金を少なく配分してください。

ただし、有名なファンダメンタルズ分析投資家の中には「投資資金の配分は均等にした方が良い。少数のとても良い銘柄を選んだとしても、結局最終的にその中のどの銘柄が最も高く株価が上がるかは分からない」と主張する方もいるので、配分に関しては、正直自分に合う手法で構いません。

また、いつ売ればいいかですが「最初の株式購入の判断を誤っており、優れた企業ではないことが明らかになった時」「状況が変化して、投資すべき企業ではなくなった時」「他にいい銘柄を見つけた時」です。逆に言えば、これらがない場合は永遠に持っていてください。それが本当にいい株なら、その株価は永遠に上がり続けます。有名なファンダメンタルズ分析投資家は皆言っています。「理想的な投資期間は永遠」と。

次回、19.株式投資攻撃戦略。100万円以下編