カブハル

この世にお金持ちになる方法なんて無い――は嘘。

牛

27.ノーリスクの年利、ローリスクの年利、詐欺師の年利、投資家の年利

お金の勉強をし、マネーリテラシーが高い人は現実的な年利を知っており、知っているからこそ逆にお金持ちになる方法は無いと思いこんでいる傾向がある。

まず、日本でノーリスクで行える投資として国債がある(個人向け国債窓口トップページ : 財務省)。もちろん個人でも購入できる。ほとんどリスクがない代わりに、利率は年利0.05%(税引き前)だ。つまり単純に考えて、100万円投資すると、1年後に500円増えているということだ。皆さんは想像してほしい。知り合いが「遂に投資に手を出したんだ。国債を100万円分買って、なんと一年後に500円増えたんだ!」。皆さんは言うでしょう。「お、おう……」これがノーリスクの年利です。

そして、世の中にはローリスクの投資商品というものがあります。例えば株式投資でいえばインデックス投資がこれにあたります。こちらは、運が悪いと損をする場合もありますが、投資し続けることで平均的に年利3%〜4%を狙えるものです。インデックス投資は勉強すればなかなか奥が深いですが、例えばインデックス投資の投資信託としてeMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | eMAXIS<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)|投資信託のニッセイアセットマネジメント<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)|投資信託のニッセイアセットマネジメントなどがあります(いずれの投資信託もSBI証券や楽天証券などの大手ネット証券であれば買えると思います)。これくらいの年利であれば、100万円を投資すると一年後に3万円から4万円増えることになるので、投資する意味合いも出てきます。ですが、これだけで若い内にお金持ちになるのはやや辛いです。

そして、マネーリテラシーのある人はおそらく「リスクがない国債だと、お金はほとんど増えないし、もし仮にローリスクの投資商品があるとしても年利3〜4%だろうし。4%以上の投資は大体詐欺だろう」との認識だと思います。その通りです。私も4%以上のリターンを謳う投資商品は、かなり怪しいという認識です。4%以上のリターンを保証した上に、配当金が出たり、食品をもらえたり、もしくは「月利」や「日利」などの言葉が使われているものは、かなり怪しいです。私もこれらの投資商品はオススメしません。

しかし、確実に詐欺でなく、かつそこそこリスクがある代わりに年利10%以上を狙える方法があります。その方法とは「投資を誰かに委託するのではなく、自ら直接、株の個別銘柄を購入したり、不動産を購入する」ことです。つまり、個人投資家です。なぜ確実に詐欺ではないと言えるかと言うと、あなたと投資商品の間に立ち、仲介する人(あなたを騙そうとする人)……すなわち詐欺師の立場の人がいないからです。おそらく、マネーリテラシーがある人は個人投資家で成功した人を見ても「年利4%以上は詐欺だ」という知識があるため「たまたま運が良くて、お金を稼いだだけなのだ」という認識になってしまっていると思いますが、そうではありません。例えば株式投資で大きな成功をした人は、その後大きな失敗をして資産を無くすということはほとんど無く、その後もお金を稼ぎ続けていますし、不動産投資で成功した人も、その後大きな失敗をして資産を無くすということはほとんど無く、その後もお金を稼ぎ続けています。一度その投資での成功の仕方が分かれば、あとはそれを繰り返すだけで資産を増やしていけるということです。成功した人はその人なりの投資の成功パターンを見つけたのです。成功に再現性があるということは、つまり、投資とは「勝負運」で行うものではなく、「勉強」で対応できる範囲ということです。

ではなぜ、個人投資家は10%以上の年利を狙えるのに、誰かに委託して投資を行うという方法だと10%以上の年利はほぼ詐欺で、まともな商品はないのでしょうか?なぜなら、一般の人から資産を集めて投資を行う詐欺ではない(まともな)投資会社というのは、資金の大きさが仇となり、そもそも大きなリターンを狙うことが難しいからです。例えば、投資信託の商品の一つに長期投資をはじめるなら直販投信のコモンズ投信へ -「コモンズ30ファンド」というものがあり、これは「たったの30の個別銘柄だけに投資を集中投資します」ということを謳っています。投資信託としては30銘柄というのは確かに頑張って攻めている方です。ですが、本気で年利10%以上を狙うなら30銘柄はまだ銘柄数が多すぎで、まったく集中投資ではありません。しかし、この投資信託がこれ以上銘柄を絞るのはかなり難しいでしょう。例えば10銘柄に集中投資するとした場合、資金の大きさゆえにまず株数を買い集めるのが難しいです。一気に買うと値段が極端に上がってしまいますし。逆に、株を売るときも難しいです。一気に売ると今度は値段が極端に下がってしまいます。また、確か国から投資信託に対して最低銘柄保有数を規定されており「必ずこれ以上の銘柄数の株を買わなければならない」という決まりもあった気がします。

インデックス投資家の中には「インデックス投資こそ最高の投資法なのに、インデックス投資以外の方法で株式投資を行っている人はきっとインデックス投資の存在を知らないのだろう」と誤解している人がいますが、そうではなく、インデックス投資で狙える以上のリターンを狙ってファンダメンタルズ分析投資やテクニカル分析投資を行っているのです。

というわけで、マネーリテラシーがある人で、マネーリテラシーがあるがゆえに「お金持ちになる方法はこの世に存在しない」と諦めてる人は、お金持ちになることをあきらめないで。確かにリスクはあるけども、少なくとも詐欺師に騙されずに高い年利を狙うことは可能なので、興味を持ったら株式投資や不動産投資を勉強して実際にやってみてください。

次回、28.現実世界に存在する「金の卵を産むガチョウ」