42.日本で『債権』があまり防御資産として機能しない理由
投資の教科書的な説明では「『債権』は『株』よりも低リスク、低リターンです。また、株価が暴落するような時には株よりも安定した動きを見せるので、『株』と『債権』を組み合わせたポートフォリオを作るのがお勧めです」っていうことが良く言われている。
だが、日本では債権はあまり防御的な資産として機能しない。
理由は、まず国債の利率が低すぎることだ。個人向け国債窓口トップページ:財務省を確認すると、利率が0.1%未満だ。つまり「そんな利率低いなら、現金で良くない?」という話だ。
「日本の国債がダメなら海外の債権はどうだろう?」と考えるかもしれない。
実は「株価が暴落するようなとき」というのは、日本単独で暴落することは余りなく、世界的な暴落に巻き込まれて日本の株も暴落することが多い。
そして、世界的に株価が暴落すると、海外の投資家は安定した通貨に資産を変えるため「円を買う」のだ。つまり、円高になる。私たち日本人は「日本はダメだ。将来性が無い」などと良く言うが、なんだかんだ海外の人の円に対する信頼は大きいのだ。
海外債券はもちろん「日本円」ではなく、海外の通貨で売買されている。もし「株の暴落に備えて海外の債権を購入し」ても、実際に暴落が来ると「海外の投資家が資産を円に換えるため円高になり」「日本円から見た海外債券の価値が下がる」。だって円の価値が上がっていて(円高になっていて)、海外通貨で売買される商品(海外債券)は円から見て割安になるからだ。
分かりやすく言えば、株価が暴落するときは海外債券も暴落するのだ。
つまり、日本は「日本国債の利率が低い」「日本円の信頼性が高い」という二つの特殊要因により、債権があまり防御資産として機能しないのだ。という話を今回はしたかった。
ただ、正直老人になっても株だけで自分の資産のポートフォリオを構築するのもリスク高いよね。国が崩壊することは滅多にないけど、企業が破産することは時々あるし。
だから、いつか私がメチャクチャお金持ちになったら『(1677)上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型』を海外債券の代わりに買って、これだけで生活費を毎月貰えるくらいにして、株暴落の恐怖から解放されたいと企んでいる。まだ全然お金持ちじゃないから買ってないけど。
また、これを見ている人の中で「毎月分配型?タコ足配当じゃないの?」と思ってる方もいるかもしれないけど、これは投資信託ではなくてETFなので、制度上タコ足配当にならないようになっているので大丈夫。
また、「へー。毎月配当金(分配金)をもらえるなら買いたいな」って思ってる方もいるかもしれないけど、これは本当に純粋に配当金のみを目的として購入する商品なので、「純粋に配当金がほしい」っていう目的なら買ってもいいけど、「この商品を利用してゆくゆくはお金持ちに」っていう目的ならこの商品はちょっと違うかも。「この商品だけでお金持ちになれる」というものではなくて、「既にお金持ちの人がこれを大量に買って分配金を得る」みたいなイメージの商品です。
いつか私も配当金だけで生活をしたい。