11.日本のファンダメンタルズ分析投資家の基本的戦法
日本のファンダメンタルズ分析投資家の基本的戦法の話。
日本にバフェット型の銘柄が無いのなら、日本のファンダメンタルズ分析投資家はどんな銘柄に投資しているのか?
それはズバリ、店舗展開型企業です。ドラッグストアとか、レストランとか、学習塾とか、店舗を持って商売している企業。業種で言うと「小売」「外食」「サービス」です。地味ですね。でも、これが基本的戦法です。
例えば株式投資を始めたばかりの人は、こんな地味な業種じゃなくて最先端テクノロジーとかバイオとかロボットとか、もの凄そうなものに投資しがちです。でも、これらの業種は、最初から皆の期待値が高いんです。
対して、「小売」「外食」「サービス」は皆の期待値が低いんです。地味な業種だから。割安に放置されがち。株価はなぜ上がるかというと、皆が「これくらいの利益が出ているだろう」って思っている期待値と、実際の業績とのギャップで上がります。例えば最先端テクノロジー製品がものすごい利益を出しても「あたりまえだよね」ってなんてそんなに株価は上がらないけど、レストランがものすごい利益出したら「こいつたかがレストランなのにすげぃな」ってなって株価が上がります。
さらに店舗展開型企業は、業績が読みやすいのです。例えば一店舗で営業していた店舗が、もうひとつ店舗を出したら、単純に考えて株価は二倍になります。だって、一店舗だったのが二店舗になったってことは利益が二倍になるってことだから。さらにもう一店舗出したら株価は最初の株価の3倍。さらにもう一店舗出したら最初の株価の4倍です。ものすごく単純で分かりやすい株価の上がり方です。
対して、最新のテクノロジー製品を作りました、っていう企業は儲かるかどうか分からない。まず、開発費がめちゃくちゃかかったんなら、マイナスからスタートだ。製品が本当に開発費分を穴埋めして、更にあまりある利益を出してくれるかどうかわからない。今までに無い製品なら、本当に現実世界に需要があるのかどうかも分からない。本当に需要があったとしても、最先端過ぎて名のある大学しか購入しない、ってなったら、あんまり利益も伸びない。
ね?店舗展開型企業の方が、期待値が低い上に、店舗を増やすことで確実に利益を上げてくれる。
というわけで、店舗展開型企業で、EPSが順調に上がっている企業に投資すれば、そんなに失敗しないし、うまくいけば結構儲かります。
あと、レストランとかスーパーマーケットとかの業種なら、その企業のサイトに行ってみよう。投資家に公開している情報の中に、大抵「前年比既存店売上」みたいなのがあります。これは、去年の同じ時期の売上と比べて、一店舗当たり今年はどれだけ利益をあげたか、っていう情報が書かれています。
普通の企業は大体既存店の売上は前年に比べて落ちてます。皆、新しいレストランやスーパーマーケットは行くけど、真新しさがなくなると、本当にいいお店じゃないと、段々と行かなくなるものです。でも、「前年に比べて既存店売上がたまにちょこちょこ100%超える時があるよ。偶然とかじゃなくて、何度もあるよ」っていう企業があります。その企業が勝ち組企業です。そんな企業を見つけて投資しましょう。そんな企業は滅多に無い……なんてことはないです。そこそこあります。探してね。
つまり、ファンダメンタルズ分析基本戦略は、前年比既存店売上が100%をちょこちょこ超える勝ち組店舗展開型企業で、まだまだ店舗を増やす意欲満々な企業の株を、まだ店舗数が少ないうちに買う、です。なにこれ最強。
でも、店舗展開型企業は基本的に成長限界を迎えます。それは、日本全国に店を出し尽くした時です。その後、株価は急落します。なので出来れば「そろそろ日本全国に出店し尽くしたなー」って時に売りましょう。「海外に進出して出店すればいいじゃん!」って思うかも知れませんが、海外出店は日本国内の出店と同じようにうまく行くとは限らないそうです。
店舗展開型企業は、いつか必ず成長限界が来る。それが理由で、ファンダメンタルズ分析投資家の中には逆にそういうのには投資しない、っていう人もいます。できれば永遠に成長する企業を探して投資したいですからね。
ここまで偉そうに書きましたが、全部受け売りです。情報源は【はっしゃん】のスロートレードです。このサイトの左側の「カテゴリー」の投資法に関して書いてる記事を全部読んでください。私よりももっと親切に解説してくれてます。たぶん、はっしゃんさんは初めてネットで具体的にファンダメンタルズ分析でどのような手法で投資すれば良いかを教えてくれた人だと思う。ただし、この人の主張する「一銘柄集中投資」はマネしちゃダメだ。死ぬぞ。