13.株式投資ポートフォリオ基本戦略
株式投資初心者のほとんどが退場する理由の一つが、物凄い基本戦法であるポートフォリオを知らないからだと思う。
株式投資でポートフォリオって聞くと「分散投資のこと?」って思うかもしれないけど、もっと原始的なもっと基本のポートフォリオ。すなわち「投資用資金の何割を実際に投資に使用し、何割を現金(キャッシュポジション)として持っておくか」の話です。
多分、株式投資初心者の方は投資用資金を用意したら、その全てを実際に投資に使っちゃうんだろうけど、間違ってるよ!!投資用資金の中でも、ある程度の資金は投資に使わず現金で持っておかないといけないんだよ。
教科書的には投資用資金の7割を実際の投資に使用し、3割を現金で持っておきます。このルールを守ってるだけで、あなたは株式投資で退場に追い込まれることはありません。
なぜ7割投資、3割現金のポートフォリオで退場しなくなるのか。それは、このルールを守るだけで、自然と「株価が高い時はあまり買わない。株価が安い時はバンバン買う」が実践できるからです。
例えばあなたが株を始めて、7割の資金でいろんな株を買ったとしましょう。その後、株式市場が過熱したら、もってる株の株価も上がりました。やったね!含み益です。もってる株の値段が上がったので、あなたのポートフォリオの配分は今「8割投資、2割現金」になってしまいました。
というわけで、給料日になって投資資金を補給したら現金にプラスします。これで「7割投資、3割現金」に戻ります。
更に株価が上がったら、また現金を補給します。どうやら今バブルです。もりもり株価が上がります。もりもりあなたは現金を補給します。この間一度も株を買ってません。だって7:3を維持するのに精一杯だもの。
でも、上がり続ける株なんてありません。ある日日経平均が暴落しました。あなたの持ってる株の株価も暴落しました。この時、もし投資資金の全額を投資していたら、あなたはせっかく安くなったいろんな銘柄を買い増せません。それどころか、ヘタすれば退場します。なぜならキャッシュポジションを確保していなかったから。でも、あなたは3割のキャッシュポジションを持っています。今、あなたの持っている銘柄の株価も暴落してポートフォリオは「5割投資、5割現金」になってます。そこであなたは「7割投資、3割現金」のポートフォリオになるように現金を使用して、良さげな銘柄を買います。もうこの時点でいつも投資資金全額を投資しちゃってる素人よりもあなたがうまいことは明白です。退場どころか、割安になった株をゲットです。
大事なのは「7割投資、3割現金」を守ることです。リーマンショック並みの暴落が来て「これ以上株価下がるわけ無いべ」とか油断して「10割投資 0割現金」にしては駄目です。リーマンショックで世界の株価が暴落した時、なぜ多くのファンダメンタルズ分析投資家も退場したかというと「もうマジで信じられないくらいに暴落して株価が安くなってるから、これ以上下がるわけ無いべ」ってキャッシュポジションをゼロにしたからです。株価は、もうマジ信じられないくらいに暴落した状態からさらにマジ考えられないくらいに暴落しました。みんな死んだ。
7割投資、3割現金(キャッシュポジション)。ただこのルールを守るだけで、あなたは株式投資という弱肉強食の世界で死ななくなるし、それどころか安くなった株を買うことさえできる。
ちなみに7:3は「教科書的にはこうだよ」ってだけで、もっとリスク取りたいなら好みで「8:2」にしてもいいし、もっと防御力高めておきたいなら「6:4」でもいいよ。ただし、割合を決めたら絶対に変えないでね。例えば「株価上がってるぜ!8:2にしよう!」「株価暴落してる。怖いから6:4に変える」とかしてたら、株価が高い時にたくさん株を買って、株価が安い時に株をあんまり買わない、ってことになるから、ポートフォリオの意味があんまりなくなるよ。
あと、常にきっちり「7:3」にしないといけない訳じゃないよ。毎月給料日に追加資金で少しずつ、できるだけ7:3になるといいなー的に調整すればいいよ。株価が暴騰したら「9:1」になっちゃうときもあるし、暴落したら「4:6」になっちゃうときもあるよ。その時に慌てて「資金追加して7:3にしないと!」じゃなくて、給料日になったら「うわー。9:1になってるわ。えーっと4万円を現金としてプラスして、と。まあそれでもまだ9:1なんですけどね(笑)」的な感じでいいです。どうせ株価なんて常にもの凄く動いているので、暴騰も暴落もしょっちゅうです。常に「7:3」を守るなんてぶっちゃけ無理です。でも、アバウトに守ってるだけで充分効果があります。