カブハル

効率的市場仮説は「事実」ではなく飽くまで「仮説」。

牛

49.株式投資とは全く話題になっていない銘柄を買っても儲けられるもの

株式投資初心者のうちは「株式投資と言うのは、結局話題になった銘柄を買わなければ儲けられないのではないか」と思っているかもしれない。だが、あなたがPERやPBR、ROEやEPSなどを根拠に、自分なりにゼロから銘柄を選んで買うよう努力を続けていたら、やがてあなたは「株式投資とは全く話題になっていない銘柄を買っても儲けられるもの」だということに気づくだろう。

株式投資の世界には「効率的市場仮説」という説がある。「市場は効率的なので、少しでも割安な株があれば、すぐに皆が買うはずである。つまり、すべての銘柄には既に適切な値段がついている」というような説だ。これを根拠に「つまり、どの銘柄を買っても大体同じようなリターンしか狙えない」みたいな話がある。「アクティブ投資のほとんどが市場平均の成績を超えられない」のも、この効率的市場仮説があるからだと言うのだ。

株式投資の世界には「アノマリー」という言葉がある。アノマリーとは「理論的に説明できない事象・傾向」のことだ。例えば皆さんが知っている投資に関しての有名なアノマリーとして「テレビ番組でジブリが放送されるときは株価が下がる」というものがある。そして、株式投資の世界には当然これ以外にもたくさんのアノマリーがある。ならば市場平均の成績を超えるためのアノマリーもあるのではないだろうか?

これを実際に調査した人がいて、そして実際に市場平均を超えられるアノマリーが二つ見つかったそうだ。それは以下の二つである。

  1. 割安株であること
  2. 小型株であること

「割安株であること」ということは、言い換えるならば「まだ全然話題になっていない株で、割安に放置されている株」ということだ。

「小型株であること」ということは、株式投資をしていない人は当然聞いたことが無いような企業名であり、株式投資をしているような人ですらも「自分一人でゼロから銘柄を探すような人でしか見つけられないような株」ということだ。

つまり「株式投資とは全く話題になっていない銘柄を買って儲けられるもの」であり、かつ「株式投資とは全く話題になっていない銘柄を買ってでしか市場平均を超えられない」ということだ。

自分一人でゼロから銘柄を探し、IR資料を読んで自分なりに将来有望かどうかを判断し、誰も知らないようなその銘柄に大金を賭けて人知れず勝負するような人しか株式投資で成功できないという事だ。

「自分一人でゼロから銘柄を探す能力」は「損失が拡大する前に損切りする能力」と同じくらいに、成功するためにあって当たり前の能力だ。

孤独に戦う投資家にしか、市場平均は超えられない。

次回、50.一銘柄集中投資は勧めない