97.「フィデリティ投資会社が調査した結果、最も投資成績が良かったのは『亡くなっている人』」の真偽
フィデリティ投資会社が2003年から2013年の顧客の投資パフォーマンスを調査した結果、一番成績が良かったのは
- 亡くなっている人
であり、二番目に成績が良かったのは
- 運用しているのを忘れている人
であった。
という話は投資家界隈では結構有名な話ですが、検索したらこの話のファクトチェックがきちんとされていた。ファクトチェックをしてくれる人は偉いな。
【FactCheck】資産運用会社の運用成績調査結果、「成績のよかった人の属性 1位、亡くなっている人」は根拠不明 | InFact / インファクト
このサイトによると、大元の情報源はブルームバーグのラジオ番組でコラムニストのBarry Ritholtz 氏による、資産運用会社CEO・James O’Shaughnessy氏へのインタビューで話した内容だそうだ。
James O’ Shaughnessy
「フィデリティが最も良いパフォーマンスを出した口座に関して調査を行ったところ、わかったのは… 」
Barry Ritholtz
「死んだ人の口座だと?」
James O’ Shaughnessy
「惜しいですが、違います。最もいい結果を出したのは、口座を持っていたことを忘れていた人たちだったのです」
英語での情報源はForgetful Investors Performed Bestです。
またフィデリティのこの調査報告書の存在が確認できないことも、このファクトチェックサイトであわせて言及されています。
なのでラジオの話が正しいとすれば、最も成績が良かったのは「亡くなった人」ではなくて「運用しているのを忘れている人」ということになります。ただ、そもそも「亡くなっている人」も「運用しているのを忘れている人」も、結局同じ「投資をしたままで、その後一度も株を売っていない」という点では同じ意味なので、あまりこの違いに関して厳密に「この情報は間違っている」というのもどうかな、と思います。
フィデリティの調査報告書が確認できない点に関しても、資産運用会社のCEOが全く根拠のないデタラメを話すはずはないので、調査報告書が確認できないことを考慮に入れても
- 投資成績が最も良いのは運用しているのを忘れている人
言い換えるなら
- 投資成績が最も良いのは、一度株を購入した後は全く株を売らない人
という話はある程度信用してもいいのでは?と思います。17.永遠に株を売らずに億を稼いだ人みたいな話もありますし。
知らんけど。
次回、98.単元未満株が楽しい。