カブハル

充分なリスクを取らないと資産は増えない。

牛

29.充分なリスクを取ること

株式投資を行っている皆さんの中には「株でそこそこ勝っているけど、一向にお金持ちになれる感じではない」という人がいるでしょう。大丈夫。私はあなたを疑っていない。あなたは多分、本当に株でそこそこ勝っているものと思います。なのに、なぜ一向にお金持ちになれる感じがしないのか?なぜなら、あなたはお金持ちになるための充分なリスクを取っていないからです。

貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵より、年齢別の望ましいポートフォリオというものを以下に引用します。

20代半ば
  • 不動産10%
  • 現金5%
  • 債券20%
  • 株式65%
30代半ば
  • 不動産10%
  • 現金5%
  • 債券30%
  • 株式55%
50代半ば
  • 不動産12.5%
  • 現金5%
  • 債券37.5%
  • 株式45%
60代後半以降
  • 不動産15%
  • 現金10%
  • 債券50%
  • 株式25%

以上、このポートフォリオ自体が伝えたいことは「若い頃はリスクが大きい代わりにリターンも大きい株式投資に大半の資産を使う。年を取ったら、リターンが低いものの、リスクも少ない債券に資産を使う」ということなのですが、私が伝えたいことはそこではなく、全資産のうちの現金の割合です。もうリスクをあまり取るべきではない老人になった場合でさえも、現金は全資産の10%程度です。つまり、例えあなたがどの年齢であっても、あなたの全資産の90%は投資に使うべきということです。おそらく「株でそこそこ勝っているけど、一向にお金持ちになれる雰囲気がない」あなたは、そこまで投資に資産を使っていないでしょう。その程度の投資金額なら、株でそこそこ勝っても資産が増えないのは当たり前です。株で資産を増やすには、増やすための充分なリスクを取らないといけません。

だからといって全資産の90%を投資に使う上に信用取引(証券会社に借金をして取引をする)にも手を出すという過剰なリスクを取ると、今度は損をした時に借金までできてしまい、取り返しのつかないことになってしまいます。では「投資が成功したときには、資産が充分増えるほどの結構なリターンを狙え、かつ投資が失敗したとしても、そこそこなダメージは受けるけれど、致命傷にはならない投資法」というのは存在するのでしょうか?

実はその投資法こそが「信用取引を使わない代わりに、全資産の90%を使って集中投資を行うことで大きなリターンを狙う、長期集中投資」です。信用取引を使わないので、失敗してもゼロになるだけで、借金にはなりません。かつ、投資が成功した場合はかなりのリターンを狙えます。

基本的に、ファンダメンタルズ分析で大きなリターンを狙うセオリーは集中投資です。世界一投資で成功しているバフェットさんは長期集中投資家ですし、それ以外の世界の有名なファンダメンタルズ分析家も、ほとんどが個人投資家に対して集中投資を推奨しています。日本の個人投資家も、ファンダメンタルズ分析で投資で成功している人たちは、ほとんどが集中投資で資産を増やしています。

ただ、集中投資のやり方にも、それぞれ好みがあります。私自身は「投資する銘柄を2〜5銘柄」と決めています。現在は3銘柄に集中投資しています。ただし、ファンダメンタルズ分析で有名な本では「3〜5銘柄への集中投資」とされています。「1銘柄集中投資」を推奨されている方もいますし「大量の銘柄を最低単元だけ持っているが本命と思った銘柄だけ大量に資金を集中させる」という方法を取っている方もいます。ココらへんの集中のさせ方は、当サイト以外のサイトや書籍も参考にしてみてください。

バフェットさんも言っています。「分散投資は富を守る。集中投資は富を創る。」

次回、30.配当金について