カブハル

俺のテクニックについてこれるか。

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4.テクニカル分析投資とは

テクニカル分析投資とは、チャートの動きを根拠として投資判断を行う投資手法のことです。主に短期投資でよく使われます。

『テクニカル分析』という名前を聞くと、コンピューターと数学を駆使した高度な投資技術のような印象を受けてしまうかも知れませんが、皆さんが想像する「コンピューターと数学を駆使した高度な投資」を行なっているのは、テクニカル分析を更に先鋭化させた「システムトレード」と呼ばれる投資手法のことです。一般に言われるテクニカル分析は、数学的と言うよりはある意味でアート的な側面を持っており、中学生や高校生でもすぐに理解できる投資法です。「テクニカル分析」という名前だけで難しそうなイメージを持ってしまい、全く勉強をしたことがない、という方も、ぜひテクニカル分析に関する本などを読んでみてください。思ったよりも難しくないことが理解できるはずです。

一言にテクニカル分析、と言っても、いくつかの技術が存在しますが、以下に基本的なテクニカル分析手法をご紹介します。

以下は、三井不動産(8801)の6ヶ月チャートです。このチャートを使用してテクニカル分析に基づき今後の株価の動きを予測してみます。

三井不動産の6ヶ月チャート

まず、直近の株価の動きの下限に一本線を引いみてます。

三井不動産の6ヶ月チャートに支持線を引く

チャートの見た目で判断すると、株価はこの下限から反発して上昇しているように見えます。なお、皆さんが証券会社のウェブサイトでチャートを見たときは実際にパソコンのチャートに線を引くわけにはいかないので、「大体、このへんに下限の線が引けるなー」と想像の中で線を引いてください。

この線のことを、テクニカル分析では「支持線(しじせん)」と言います。

さて、見た目には、たしかにこの辺に線を引けます。が、神経質な方は思うでしょう。「確かに見た目には、大体その辺に線が引けるさ。でも、そこに線を引いた数学的な根拠はどこだ?科学的な根拠はどこだ?なぜ線はこの角度なんだ?」と。

はっきり言いまして、根拠は「見た目で大体下限がこの辺りだから」以上の数学的・科学的根拠は存在しません。私が引いた線も、感覚的に引いただけで、この角度は計算から導かれたものではなく、適当に線を引いてみたら、たまたまこうなっただけです。そういう意味で、テクニカル分析は数学的と言うよりはアート(感覚)的と言いました。

さて、支持線を引いてみたことで、これから先株価がどこで反発するかも大体予測できます。おそらく、3380円くらいでチャートが反発しそうですね。つまり、株価の買いに3380円に指値をしておけばいいのです。予想通りに行けば、3380円くらいで反発して株価が上昇し、利益が出るはずです。

では、こんどはいくらになったらこの株を売ればいいのでしょう?もうひとつ線を引いてみましょう。

三井不動産の6ヶ月チャートに抵抗線を引く

今度は、最近の株価の上限に一本線を引いてみました(このチャートの場合、上限があまり綺麗に並んでいなかったので、適当に引いてしまいましたが)。これも、支持線と同じく、「根拠は見た目」の線です。テクニカル分析ではこれを「抵抗線(ていこうせん)」と言います。

株価は大体、この線で押し戻されて下に行くようです。つまり、大体この線にタッチするくらいの時に株を売ればいいのです。チャートが支持線で跳ね返って、ある程度期間を経て抵抗線へタッチすることを考えると、大体3560円くらいで売り注文を出しておけばいいでしょうか。

ということは、大体3380円くらいで株を買って3560円くらいで株を売ることになります。この株の売買単位は1000なので、338万円(3380円 × 1000)で買って356万円(3560円 × 1000)で売ることになるので、356万 - 338万で18万円の利益が狙えることになります。これがテクニカル分析です。

ただし、テクニカル分析は「多分こう動くだろうなー」という予測に過ぎません。つまり、株価は支持線より下に下がってしまう場合もありますし、逆に抵抗線を上へ突き抜けることもあります。

では、もし仮に3380円でこの株を買った後にチャートが支持線を下へ突き抜けてしまった場合はどうすればいいのでしょう?

その場合はすぐにその株を売ってしまってください。もちろん、3380円で買って株価が下がってしまった後に売るので、損失が出る売買となってしまいます。ですが、予測をして予測が外れたとしたら、もう今回の投資の投資根拠が崩れてしまったことになるので、この場合は損を承知で株価を売るのがテクニカル分析の一般的手法です。これを「損切り」と言います。

テクニカル分析は上記「支持線」「抵抗線」以外にもさまざまな手法があるのですが、たとえどのようなテクニカル分析を使ったとしてもそのテクニカル分析を根拠として行った投資が失敗した場合は必ず損切りを行なってください。テクニカル分析において「損切り」は基本手法であり、かつ必須の手法です。

「損が出るのが見えているのに損失を確定なんてさせたくない。ずっと持っていれば株価がいつか上がるかもしれないじゃないか」という、典型的な「損切りができない人」は決してテクニカル分析を行なってはいけません。損切りが出来ない方は、テクニカル分析ではなく、インデックス投資、もしくはファンダメンタルズ分析投資の手法で投資を行うようにしてください。

今回は最も基本的なテクニカル分析の手法をご紹介いたしましたが、これ以外にも色々な種類のテクニカル分析があります。テクニカル分析は難しい投資手法、と思い込んでいた方も、上記説明を見て、意外と簡単な投資手法であることが分かっていただけたと思います。

短期的に株式投資で利益を得たい方は、ぜひテクニカル分析をマスターしてください。

次回、5.私はなぜ株のテクニカル分析投資をやめたか