カブハル

最悪私もシッポ巻いて逃げるよ。

牛

40.「相場サイクルの終わり」と「稲妻が輝く瞬間」

こんにちは。これを書いている2018年10月29日現在、株価が激しく暴落し、悲観論が広がっています。私も年初来マイナス8%くらいと、そこそこなダメージを負っています。助けて。というわけで、今日は「相場サイクルの終わり」の話でもしようかと思う。

皆さんは相場に周期的な動きが存在するのをご存知でしょうか?アメリカの著名な投資家ジョン・テンプルトンさんが、相場サイクルを表す格好いい言葉を言っています。いわく「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」。

私の理解では、現在の景気サイクルは「リーマンショックの終わり」から始まっています。「株なんて危ない」とか「みんな大損した」という状況の中、相場に参加する投資家はほとんどいませんでした。当然株価は全く上がりませんでした。ただし、株価は暴落の後、下がりきっていたので、それ以上下がることもなかったのです。今回の相場サイクルも悲観の中に生まれたのです。

その後、株価は徐々に上がり始めました。ただし、みんなリーマンショックの記憶が強く、まだ相場に参加する人はそれほど多くありませんでした。相場は懐疑の中で育ったのです。

その後「アベノミクス」が始まりました。どんどんと上がる株価を見て、皆続々と相場に参加します。楽観の中で成熟しました。

そして、今年の初め「2018年末にはさらに株価が上がるぞ!」と皆息巻いていましたが、現実は株価の乱高下によって続々と相場からの退場者が増えています。これが「幸福感の中で消えていく」……のかはまだ、分かりません。株価が今後どのように動くかは誰にも分からないからです。

というわけで、私は「相場と言うのは皆が相場から退場した後の悲惨な状況から始まり、皆が相場から退場するような悲惨な状況で終わる」と理解しています。つまり定期的に皆が死ぬ相場がやってくるという理解です。もし今回の暴落が「相場サイクルの終わりである、皆が死ぬ相場」なら、私は死にたくない。

じゃあ私が投資用資金を全部現金化しているかと言うとそんなことは無くて、現在も総資産の半分以上を株に投資しています。

というわけで今度は「稲妻が輝く瞬間」の話をしよう。

39.株のファンダメンタルズ分析家の暴落への対処法で次のような話をしました。

以下引用開始

ファンダメンタルズ分析のもう一つの原則として「株式投資に常に参加し続けるべき(どのような状況であれ、株を常に持ち続けるべき)」というのがあります。ずっと株をやっているとわかりますが、株価というのは「ある日突然短期間に急激に値を上げる」という事がままあります。そして、この「短期間に急激に値を上げる」ときに、それに参加していたか(株を持っていたか)、参加していなかったか(株を持っていなかったか)が、最終的な利益にかなり影響があることが知られています。つまり、ファンダメンタルズ分析家としては、暴落による含み益の減少や含み損の発生よりも、参加しないことによる「短期間の株価急騰」を取り逃すことのほうが、より回避すべきことだとされています。

以上引用終了

この「ある日突然短期間に急激に値を上げる」瞬間のことを「稲妻が輝く瞬間」と言います。確か、この話の元となる著名な投資本があったはず。どの本か忘れたけど。

というわけで、確かに株価は暴落していて悲観論は広がっているけど、この後まさかの「稲妻が輝く瞬間」が訪れて、株価が急回復する可能性もゼロではないわけです。なぜなら、株価が今後どのように動くかは誰にも分からないからです。

お分かりでしょうか。もしこの乱高下が「景気サイクルの終わり」なら、下手に参加し続けると「皆が死ぬ相場」で私も死ぬ可能性がある。

かといって、もしこの乱高下の直後に「稲妻が輝く瞬間」が来るならば、参加し続けておかないと、大きな利益を逃すことになる。

ということで、大事なのは「仮に景気サイクルの終わりで皆が死ぬ相場であっても生き残れる程度にキャッシュポジションを持ちつつ、稲妻が輝く瞬間が来たら利益を得られる程度には相場に参加し続ける」のが大事だと思います。

たしか、漫画HUNTER×HUNTERの35巻でも誰かが言っていました。「守りながら攻める構え」。守りながら攻めるのが大事です。

ただし、飽くまで「守る」ことが優先です。「攻める」のは無理をしてはいけません。

世界一の投資家、ウォーレン・バフェットは言いました。「ルール1、絶対にお金を損しないこと。ルール2、絶対にルール1を忘れないこと」。

世界一の投機家、ジョージ・ソロスは言いました。「まず生き残れ。儲けるのはそれからだ」。

2人とも、攻めることよりも守ることを優先するように言っています。

というわけで、皆さんも無理に「守りながら攻める」のではなく、最悪全力で「守る」ことにしてください。

こんな文章を偉そうに書いている私も、事態が私の想定をはるかに超えた場合は、攻めることをあきらめて、全力で守りに入ります。しっぽを巻いて逃げます。なぜなら私も生き残りたいからです。

徳川家康は武田信玄に追い詰められた時、馬の上で脱糞しながら逃げました。でも、徳川家康は最後には天下人になりました。どんなに格好悪くても、生き延びてさえいればチャンスはまた来るのです。

次回、41.株で大損する人の典型的な行動