カブハル

基本的には「小型株」「割安株」から投資する銘柄を探すようにしよう。

牛

76.基本的には「小型株」「割安株」が良い

私が持っている投資本のうち2冊に「一般の人よりも良い投資成績を上げるのに大事なことは『小型株』『割安株』に投資すること。これは研究でそのような結果が出ている」というような記述があります。

一冊目はファイナンス理論全史――儲けの法則と相場の本質

この本の81ページに「時価総額の小さな小型株は、長い目で見るとリターンが高くなる傾向がある。PBR(株価純資産倍率)が低い割安株も同様だ。」という記述がある。

二冊目は最新の金融工学でかなえる理想の資産運用

この本の133ページに「なんらかのリスク・プレミアムとして、比較的初期に提唱されたものとしては時価総額の小さな株は市場平均よりリターンが期待できるという「サイズ(小型株効果)」や、相対的に株価が割安な株は市場平均よりリターンが期待できるという「バリュー(割安株効果)」が有名です。」という記述がある。

つまり学術的には「小型株が良い」「割安株が良い」というのは既に結論が出ている、効果が認められる投資法ということだ。

なので、株を探す時には基本的には「小型株」「割安株」から投資する株を探すと良い。

具体的にはあなたが使用しているネット証券の銘柄検索で「時価総額の小さい順」「PERの小さい順」「PBRの小さい順」とかで銘柄を検索すると思わぬお宝が見つかるかもしれない。

ただ時価総額が小さい株で気をつけてほしいことは、時価総額が小さいと株が売買される頻度(取引がされる頻度)が極端に少ないことがある。具体的にいえば1日の取引数が100株だけだった、などということがザラにある。

こういう株に集中投資した場合、もし決算が悪くて逃げないといけない状況になった場合、誰も株を買ってくれなくて大損する、ということがありうるので気をつけて。

また「小型株」「割安株」に効果が認められるからといって、それに縛られすぎるのもどうかと思う。

以前「私がファンダメンタルズ分析初心者の頃ははっしゃんさんとエナフンさんのサイトで勉強した」と言ったけど、(少なくとも私が二人のサイトで学んでいた頃は)二人ともピーター・リンチの本を参考にしていて、そしてピーター・リンチは「株は大型株でも小型株でも株価が数倍になることがある」と言っていて、実際にはっしゃんさんもエナフンさんも特に「必ず小型株を買わなければならない」ということにとらわれることなく、大型株にも手を出したりしてたと思う。そして、お二方とも実際に現在億を稼いでる。

また、あなたが実際に株をやっているなら実感していると思うけど、めちゃくちゃ割高だけど、成長性もめちゃくちゃある、みたいな株の株価がぐんぐん上がる、というのを見たことがあるだろう。

だから「絶対に小型株、割安株しか買わない」というスタンスよりは「どちらかというと小型株、割安株が好き」くらいのスタンスにして、大型株や成長株でも良さそうなのがあれば買う、くらいのスタンスで良いと思う。私も「どちらかというと小型株、割安株が好き」くらいのスタンスでやっています。

また本を読んでいて面白かったのは二冊とも「小型株、割安株ほどの強い効果があるわけではないけど、モメンタムにもある程度の効果が認められる」という記述があることだ。2冊とも「小型株効果」と「割安株効果」と並列して「モメンタム効果」を話すのではなくて、「小型株効果、割安株効果よりも効果は下がるけど」みたいなニュアンスで言及してるので、「小型株、割安株ほどの効果はないけど、全く無視して良いほど効果がないわけでもないんだなあ」と少しニヤッとしてしまう。

「モメンタム投資」というのは株価の勢いに乗る投資法のことで、簡単にいえば「勢いよく株価が上がっている株を買い、ますます株価が上がることを期待する投資法」のことです。たまに永遠に株価が上がり続けてる株というのがあるけど、そういうのは多分ファンダメンタルズも良いんだけどモメンタム効果もある程度あるんだろうなあと思う。

テクニカル分析の基本は「トレンドフォロー(株価が上がっている株を買う、株価が下がってる株を売る)」というのも、このモメンタム効果があるからなんだろうなあ。

だからもしこの文章を読んでいる短期投資家の方がいたら、「一目均衡表」とか「ボリンジャーバンド」みたいな何らかのテクニカル分析の手法の勉強をするよりは、「モメンタム投資」「トレンドフォロー投資」という基本を押さえた投資法の勉強をした方がいいかもしれない。

次回、77.オーナー企業の会社は株価が上がりやすい