92.過疎株投資法はアリな戦略
2人以上の人間がいたら争いが発生するのであれば人類は滅びればいい。値動きで動揺してすぐに売ったり買ったりしてしまうのであれば株価なんて動かなければいい。
過疎株(かそかぶ)の話をしよう。
私は以前からちょいちょい「小型株がいいよ」「割安株がいいよ」という話をしているが、「小型株」を極端に突き詰めると、人類は過疎株に到達する。
過疎株とは、あまりにも極端に小型株すぎて、売値と買値の間の幅が大きく開いており、かつ売買もあまりされていないような株のことである。
具体的に言えば、株検索で時価総額の小さい順に銘柄を並べて、時価総額が小さい株1位〜100位くらいを確認して欲しい。それらが(多分)過疎株である。
誤解をしないで欲しいのは、過疎株は必ずしも業績が悪い株ではないということだ。実際に過疎株の中でも良さそうな株があればIR情報とかを確認してみてほしい。「今まで順調に成長してきたし、これからも順調に成長していきます」みたいなことが書かれていたりする。
でも基本的には過疎株はどんなに業績が良くても割安な場合が多い。なぜなら過疎株には流動性リスクがあるからだ。流動性リスクとは「株を売りたい時に売りたい値段では売れないリスク」「株を買いたい時に買いたい値段では買えないリスク」のことだ。
なぜ売りたい値段で売れず、買えたい値段で買えないかというと、先ほども話したように過疎株は基本的に売値と買値の間の幅が大きく開いており、かつ売買もあまりされていないからだ。
しかし冷静に考えてほしい。過疎株は「小型株」であるし「(流動性リスクのせいで実際の業績よりも)割安」である。つまり教科書通りの正当な方法で株をやるとするのであればむしろ過疎株にこそ手を出すべきでは?というわけで過疎株投資法はアリな戦略である。
私も何度か過疎株に手を出している。
ちなみに私は以前から少数銘柄長期集中投資を勧めている。そんな私がどうやって過疎株を買い集めるのかというと、無理やり買い集めるのだ。なので私が過疎株投資を行うと基本的には含み損から始まる。
基本的に普通の人は過疎株にはあまり手を出さない。では過疎株に手を出している人はどんな人かというと「優待目的」「業績が良いから」基本的にはこの二つが主な理由である。
なので過疎株は基本的には株全体の動きと無関係に動く。例えば日本株全体が暴落しているのに、過疎株は全然暴落しない、ということは良くある。逆に日本株全体が暴騰しているのに、過疎株は全然暴騰しない、ということも良くある。
値動きで動揺してすぐに売ったり買ったりしてしまうのであれば株価なんて動かなければいい。動かない株は過疎株である。
じゃあ過疎株は全く暴落しないかというとそんなことはない。何でもない日に暴落する。板が薄いので、まとめて株を売った人がいるだけですぐに暴落するのだ。何でもない日に暴騰する。板が薄いので、まとめて株を買った人がいるだけですぐに暴騰するのだ。
しかし最も株価が動くのはやはり決算の時だろう。過疎株なのに決算がめちゃくちゃ良い時は、株価がめちゃくちゃ暴騰する。逆に過疎株な上に決算が悪い場合は、株価はめちゃくちゃ暴落する。
昔、チャイナショックっていう株価の暴落があったのだけど、当時私は過疎株投資をやっていて、株価は全く下がらなかったおかげで暴落を無傷で切り抜けた上に最終的に利益もそこそこ出たので、そういう経験もあって、どちらかというと過疎株投資法は好きな投資法の一つです。
今年の初めも過疎株投資法に手を出して、過疎株を無理やり頑張って集めてそこそこの集中投資の状態になった後に悪い決算が発表されて、さっさと損切りしたいのに、板が薄いせいでまとまった株を一気に売ることができず、毎日地道にコツコツ損切りをする、自分が損切りするせいでますます株価が下がる、という地獄を見ました。
過疎株投資のバーカ!